総本部 昇段審査 4

2011年5月22日 日曜日 by 山根 誠治

 二日目の朝 目覚めもよく 「よし!」 と気合いを入れた

昇段審査二日目は 女子部有段者による型の審査から始まった

平安の裏から観空まで ひとり様々な型を行っていた

まるで舞を見ているようだった

この時 自分はといえば 前夜の酒がボディーブローの如く 徐々に効きはじめ 地下のトイレへと直行していた

救いようのない ”アホ” だった

この日もまず4人と対戦した そして連続組手が始まったのはもう夕方ちかくだった

現役選手が受けの組手をしてもしょうがない 最初からガンガンとばした 

相手も ”喰ってやろう” という気持ちだっただろう 望むところだった

しかし 途中からはペースダウン 大柄な相手が続くとやはりスタミナがうばわれた

上段を蹴られ足がふらつく場面もあった

「気合い入れろ!気合いをー!」叱咤が飛ぶ 「エーイシャあらー!!」

この頃は若かった ”エイシャ”のあとには必ず ”あらー”がついていた

 総本部 昇段審査 3

2011年4月24日 日曜日 by 山根 誠治

 組手がはじまった 100人組手 40人組手 30人組手とつづいた

ほとんどが現役の選手 支部長だった

この日は3人と対戦し 動きはまずまずだった

しかし ”握り棒”には苦戦した 受けの時どうしても手が開いてしまう 落とすと”技あり”を取られる

ゆえに ほとんどの人が ”裏技”を使っていた

そして 名前をいつ呼ばれるか分からない もちろん皆 同じ立場だが緊張感を持続させるのが大変だった

後ろで座って待っているのだが 自分はこのとき あろう事か待ち時間の長さに立膝で座っていた

「君ぃ 立膝をしては駄目よー!」 「押忍!」 大山総裁に叱られていた 今となっては良き思い出だ

なんやかんやで初日終了 その後 冬合宿で一緒だった城西支部の方達に誘われ居酒屋に食事に行った

空手談議におおいに花がさき 盛り上がって盛り上がりすぎた

結局この晩は 呑むほどに酔うほどに大酒を呑んでいた

 総本部 昇段審査 2

2011年4月17日 日曜日 by 山根 誠治

 昇段審査初日 「これより昇段審査をはじめます 山根誠治!」 「押忍!」

いちばんに名前を呼ばれた 最前列の右端 まさに”逃げも隠れもできません”状態

緊張もしたが これで逆に胆が据わった

基本から始まった いつもの百倍気合いがはいった

途中 「基本の技を説明しなさい」と何名か当てられた 無論 自分もその一人だった

手刀脾臓打ちを当てられた 説明の途中言葉につまっていると 「円を描く様に!」

と大山総裁から的確な言葉で補足していただき なんとかうまく説明できた

何か総裁の細かさと親切な一面を垣間見たような気がした

次に移動は全て回転 クルクル回りっぱなしだった

合い間に 飛び蹴りによるボール蹴りや 蹴りによる帽子落としなどがあった

これらすべてが一番手だ 要領がつかめずなかなかやりにくく 随分と苦戦した

そして型 受審者が大変多かった為か 意外と少なかった 知らない型は出なかった 

それにしても二段を受けるのに型を知らないのだから我ながら恐れ入る 

当時は型についてはずいぶんとおおらかだった 支部によって動きや号令が違い

極端にいえば基本さえも各支部長の特徴が反映されていた

午前中は基本 移動 型で終了 いよいよ午後からは組手となった

 総本部 昇段審査

2011年4月13日 水曜日 by 山根 誠治

 ‘90 2月 総本部 昇段審査を受審した 同僚とふたりで

この年は 受審者多数のため 二週に分けて 土・日と二日間行われた

最初の週は首都圏の道場 次の週は地方の道場だった

金曜日 当初は飛行機で出発予定だったが大雨で欠航 新幹線で出発した

当時は国鉄からJRに民営化し まだ間もない頃だったと思う

道中 簡単なアンケートにこたえテレフォンカードをもらった

また 眠っているといつに間にかタオルケットが掛けられていた

「国鉄のときとえらい違いじゃ!」サービスが心地良かった

試合の時とは また別の緊張感で 稽古の延長線上にあるのが審査でもある

基本 移動 型 とにかく何が出るのか全く見当がつかない未知の世界 とも感じていた

それが ”総本部 昇段審査”だった

考えると不安だらけ(@_@;) この日は 実家に泊まり次の日にそなえ早々に床に着いた 

 夏

2011年4月11日 月曜日 by 山根 誠治

 桜も満開になり 春爛漫だ

子どもの頃は夏が大好きだった いつの頃からか暑すぎる夏は嫌いになっていた

寝ても覚めてもただ暑い 

こうなると さむい冬から徐々に暖かくなる ”春”がいちばん好きになっていた

いまは また ”夏”がいちばんだ 

暑さで死ぬほど汗が出る 額から 腕から 太ももから 脛まで汗まみれになる 

これは夏しかありえない 生かされているという実感がする

これからどんどん暑さが増してくる 身体とともにこころも“熱く”といきたいものだ