2014年1月18日 のアーカイブ

骨折 Ⅱ

2014年1月18日 土曜日 by 山根 誠治

治療後、先生に訊ねてみた。「あの~明日も試合あるんですけど」
すると先生は呆れた顔で言われた。「君、今度蹴られたら死ぬよ!」
いかに鈍感な自分でも、薄々感じていた。「今度蹴られたら、相当にヤバい!」
棄権の二文字が脳裏をよぎった。
だが… 勝負から逃げたくなかった。ましてや自分が青春を賭けた空手。
ここで逃げたらこれからの人生、ずっと逃げ続けるのではないか。当時はそんな大そうな思いだった。今では考えられないくらい純情だった。
結局、三回戦は本戦判定負け。何度か蹴りが顔面をかすめたが、どうにかこうにか無事だった。
初出場の全日本大会だったが、初日を勝ち上がり、強豪と最後まで戦えたこと。
恐怖心に打ち克ったこと。等々、実り多き思い出深い大会となった。

後日談だが、この大会は関東地方ではテレビ放映されている。ビデオを送ってもらい皆で観賞した。最初に二日目に勝ち残った32名の選手が映されたのだが、デッカイ高校生のなかに小学生が数人。そんな構図だった。
その内のひとりは、鼻に絆創膏、口は開き、目がほんとうに点になっている。皆で爆笑したものだ。
何故か人の不幸ほど?! あとで強烈な笑い話になる。それら全てが活力源となった。(^_^)